場所はコロナ禍に2度の火災に見舞われた北九州の台所と呼ばれ100年以上もの歴史を誇る市民に愛される旦過市場の近くに位置する。
飲食業界に大打撃を受けたコロナ禍を乗り越え、北九州市の地で開業10周年を迎えたタイミングを機に様々な経験とお客様や九州の生産者さんとの出会いを経てオーナーシェフの新たな挑戦が始まる。
その挑戦にはお客様を迎える空間も全面リニューアルすることが必要不可欠であり、当社にオファーを頂いた。
Bekkの料理はオーナーシェフ自ら九州の生産者さんから仕入れた食材を中心として、なるべく自然本来の環境で育った、からだにも心にもやさしい食材を使用している。
「生産者さんから受け継いだ、大自然の大切な命をお客様へ繋いでいく」という想いをテーマにイタリア料理をベースに、「九州の四季」×「生産者の想い」をBekkの感性を取り入れたコースでお客様に非日常の感動をお届けする。
そのオーナーシェフの正直な想いを空間に反映させるべく、カウンターのお客様の目の前で調理過程がすべてオープンに見える客席とキッチンを一体の空間にした。
目の前で繰り広げられる料理風景、盛り付け一つとっても緊張感のある空間だ。パスタも目の前の調理台で生地を伸ばし製麺するから目が離せない。
全ての過程をオープンにした開放的な空間はとても綺麗で美しい上に五感すべてで料理を体感出来る。
内装の素材はほぼ自然素材で構成し、檜材、銅板、無垢材フローリング、研ぎ出し天板、空間の壁・天井はすべて自然の土壁で妥協のない空間である。
主役はあくまでも料理なので、空間にはカラーを極力抑え、料理の自然のカラーを引きたてる脇役に徹するよう素材そのものの色を生かすように心掛けた。
特に目を惹くのは客席カウンター天板の栃の木の一枚板。これは樹齢約450年の大分県竹田市の宮処野神社の御神木であった大変貴重な木である。
素材もさることながら、特に時間をかけて計画したのがゆとりのある空間レイアウトとお客様とスタッフの動線を最重要に考え抜いた。
各所の素材との取合いや巾木や什器の見附に銅板を組込むなど細かいディテールにもこだわりを施した。
銅板や土壁、檜材は年月が経つにつれ経年変化をしていき、時が経つにつれ深みを増し、また違った印象を与える空間に変化していく事も個人的には楽しみの一つだ。
九州の生産者の方々が大切に育てた命の食材を大切にしイタリアンで表現するオーナーシェフの新たな挑戦を、ここ北九州市の地より日本全国各地からBekkの非日常空間でお迎えするにふさわしい空間を作った。
物件種別 | 飲食店(イタリアン) |
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空間デザイン&施工 | 株式会社VRILLO(ヴィリオ) 寺井 智彦 https://www.facebook.com/VRILLO-176197505778651/?fref=ts |
空間撮影 | uruphoto 吉永 まりえ | 備考 | Bekk 〒802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町4-3-8 monatelier 1F 070-4485-7871 ※スマホからタップで発信できます Lunch 12:00〜14:30(12:00 一斉スタート) Dinner 18:00〜 客席数 11席(カウンター5席・個室6席) |